妄想三流建築士

キャストドール(球体関節人形)の写真などをぽちぽち載せるブログです。苦手な方は全力退避でお願いいたします。


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ハロウィンとひとごろしの話

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いきなり女装注意です。
リュー(Romeo)に白ウィッグをかぶせたら面白かったので、アラステア(DD Y's)さんに女装してもらって、ハロウィンぽく、と思ったんですが……ハロウィンってなんだっけ。
若干迷子になりました。

吸血鬼と魔女を目指しつつ、牙をつけられなかったので、謎の錬金術師と死ねない魔女みたいな感じかなーと思ってみたりしました。
続きは写真と若干の妄想ストーリーを含みます。
女装やら人形がらみ創作が駄目な方はスルーでお願いします。


 
ハロウィンは元来ケルティックな催しである。
おのおのの家に先祖が帰ってくるのと同時に、悪しきものもまた、この世界にやってくる。

天涯孤独な錬金術師のもとにやってきたのは、火あぶりにされた悪しき魔女の幽霊であった。

ただし、性別は男だったわけだが。

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錬金術師は何しろ孤独であったし、
とうに教会通いは辞めていたし、
何より雑な性格だったので、
相手が死人でもドレス姿の男でも、そう問題とは思わなかった。

問題なのは、相手が高名な魔女だということのほうだ。
これを利用しない手はない。

「あなたほどの名の知れた魔女ならば、わたしの知らない世界の謎を知っているのではあるまいか。
ただとは言わない、取引をしよう」

「取引か。だったら世界の謎を教えてあげるのとひき替えに、僕と死んでくれないか」

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「死か」

「うん。僕は生前、大体のやりたいことはやりつくしたが、
心中だけは出来なかった。
何しろ僕を告発したのは恋人だから。
恨んじゃいないが、心中できたらなおよかったな。あれがたったひとつの心残りだ」

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錬金術師は考える。
死ぬのは嫌だし、目の前の魔女を愛しているわけもない。

ただし、錬金術師は死に関しても雑な男であった。

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ためしに魔女の首を絞めてみると、それはなかなか面白いものにも思え、
なるほど、殺し殺され心中というのはおもむきのあるものだ、
まるで呪いのようなものなのだ、と理解した。

形は気持ちを呼ぶものだ。
儀式とはつまり、気持ちを呼ぶための形のことだ。
その形に死が関わるのならなおのこと、形は気持ちを深く操る。
これは大変科学的な話ではあるまいか?

「で? 一緒に死んでくれるの、くれないの」

「一緒に死ぬのも悪くない。
だが、君はもう死んでいるじゃないか。
ここでわたしが死のうと、10年後に死のうと、大した代わりはあるまいよ」

「代わりはあるさ。でもまあ、ちょっとあなたに不利な取引だったかもしれないね」

魔女は割合素直にしょぼくれる。

だが、錬金術師は取引を完全に断る気ではない。

「わたしは今は死なない。だが、代わりに甘い菓子をあげよう」

「甘いものは食べ飽きたなあ。僕は生前、結構稼いでいたんだよ」

「魂も腐れる妙薬つきでも、要らないかね?」

「おやおや。ろくなもんじゃないねえ、錬金術師」

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毒入りのジャムは赤スグリ。
普通ならば囓っただけで酷く痛んで、呑みこむことなどとても無理。

けれど魔女は死んでいたので、端っこをかじってにっこり笑った。

「こんなもの作ってたら、あんたもいずれ火あぶりだよ、錬金術師」

「さもありなん。そうでなくとも、とうに天国の門は閉じていよう。
どうせわたしたちは同じところへ行くのだ、待ち合わせをしようじゃないか」

「地獄の空が綺麗に晴れた午後三時」

「地獄門の前にて待ち合わせ」

「ばかばかしい話だねえ」

そう言って魔女は少し嬉しそうに笑ってクッキーの残りを呑みこんで、そのまま蕩けるように消えたのだった。
彼は大仰な世界の秘密などひとつも残していかなかったが、錬金術師はひとりでは学べない何かを知った。
以降の彼は相変わらず学術的興味を胸に邁進し、たまに他人の死に涙し、己の死を恐れなくなった。

明日かもしれないし、三年後かもしれないし、十年後かもしれない。

もっとも恐ろしい地獄門のほんの手前で知った顔に会えると思えば、この世にある地獄など、すべて見た目だけ毒々しい甘い菓子の園だ。
歯が痛んで、全部抜けてしまうまでは楽しもう。
Happy Halloween!
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テーマ : ドール    ジャンル : 趣味・実用

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八尋

Author:八尋
ウェットでもあってドライでもあり、ジオラマのように人形を愛でているぼんやりオーナー。
首都圏在住。

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